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転職活動中に知っておきたいこと

労働条件の確認は内定承諾の前に確認事項リストでチェック

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10分

労働条件の確認は内定承諾の前に確認事項リストでチェック

相山 華子(あいやま はなこ)

相山 華子(あいやま はなこ)
1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)のテレビ報道部記者を経て、2002 年からライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業の日本語コンテンツ監修も手掛ける。

転職活動を頑張った甲斐あって無事に内定が出ると、嬉しさのあまりすぐに内定承諾の返事をしたくなりますが、勇み足は禁物です。入社後に後悔しないためにも、内定承諾書を提出する前に、今一度、労働条件などを見直し、疑問点や誤解がないか確認しましょう。

CONTENTS

内定承諾とは?

内定通知が届いたら

内定通知と内定承諾書

採用試験に合格すると、企業からメールまたは電話で内定通知が届き、追って内定承諾書の書面が送られてきます。内定承諾書は、企業と求職者が、内定についてお互いが合意・承諾していることを確認するための書類で、内定通知後、期日までに署名・捺印して提出するものです。転職活動は、労力のかかるものですが、それは採用側にとっても同じです。採用するためには人事担当者は、採用のための広告を製作し、効果的だと考える媒体を選定します。そこから、数多くの転職希望者の履歴書などに目を通し、面接をして、社内のコンセンサスも取った上で、ようやく内定通知を出すのです。コストも時間もかけてたどりついた内定者からの内定辞退は何としても避けたいので、内定承諾書を交わして採用を確定させたいと考えるのです。

内定承諾書の提出期限

内定承諾書の提出期限は企業によって異なりますが、内定通知後1~2週間以内としている企業が多いようです。内定を承諾する場合は必ず期限内に承諾書を提出すること、また、事情があって入社を辞退する場合も必ず期限内にその旨を企業側に伝えるのがマナーです。他の会社の採用試験の結果を確認してから返答したい場合など、指定された期限内に承諾・辞退の返事ができない場合は、先方の担当者に率直に事情を話し、提出期限の延長が可能か確認するとよ良いでしょう。いずれにせよ、短期間で決断を迫られまるわけです。

内定承諾書を提出するとどうなる?

内定承諾書には法的拘束力はないため、提出後に入社を辞退することは不可能ではありませんが、内定承諾書にサインをすることは、内定を受け入れたという証拠となります。企業側は内定承諾を受けて、すでに入社後の研修や諸手続きなどを始めている可能性もあり、トラブルに発展するおそれがあります。トラブルにまでは至らなくても、企業や転職エージェントに迷惑をかけることは間違いないので、内定承諾後の辞退はビジネスパーソンとして重大なマナー違反です。

トラブルを避けるために

こういったトラブルを避けるためにも、そして何より入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、安易に内定承諾書を提出することのは避けましょう。内定の連絡を受けたら、まずは内定通知とともに送られて来る労働条件通知書をしっかり確認し、わからないことや不安な点は企業や転職エージェントの担当者に遠慮なく質問・相談すること。そして、「本当にこの会社でよいのか」をじっくり考えた上で判断することが大切です。

内定承諾を急ぎすぎてはいけない理由

よくある悩み

労働条件などをよく確認せず、慌てて内定承諾書を提出して入社すると、思いもよらないギャップやミスマッチに悩まされるおそれがあります。この時期は、さまざまな苦労もあり、くじけそうになることも多かった転職活動で最終面接を終えてついに内定の連絡をもらい、新しい世界が広がるという予感もあり、つい気持ちが前のめりになりがちです。そのため、労働条件の確認や企業に関する情報収集がおざなりになり、その結果、実際に入社した後で、予想もしなかった問題に直面するといったことも決して珍しいことではありません。実際に転職後に後悔した経験のある人たちからは、次のような声が聞かれます。

労働条件について

  • 希望していた仕事に就けなかった

  • 希望した仕事を担当できなかった

  • 交通費が別途支給されると思っていたら、交通費は給与に含まれていた

  • 転勤はないと思っていたのに、実際には転勤がある職場だった

  • 土日出勤が頻繁にある会社だった

  • 福利厚生が充実していなかった

  • ボーナスが思っていたより少なかった

  • 制度はあるものの、男性は育児休暇が取れない雰囲気だった

職場環境について

  • 入社してみると同世代の社員が少なく、話し相手がいなくて寂しい

  • 職場の雰囲気が悪く、働きにくい

  • 離職率が高い職場だった

  • オフィスの清掃が十分でなく、雑然としていて働きにくい

  • 女性管理職が少なく、女性の昇進が難しそう

  • 社内行事が多く、参加するのが苦痛

  • 女性社員もスーツ着用の人が多く、オフィスカジュアルが許容 されない

内定承諾前に
確認すべきことは?

こういったギャップやミスマッチを避けるために、必ず確認しておきたいのは、内定通知とともに送られてくる「労働条件通知書」の内容です。

確認事項のチェックを

労働基準法第15条第1項には、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と規定されており、企業は求職者に以下①~⑬の内容を明示しなければならないことが定められています。

書面の交付により明示しなければならないもの  

  1. 契約期間についての事項

  2. 就業場所と業務内容についての事項

  3. 就業時間と休日、休憩時間、時間外労働についての事項

  4. 賃金(金額、計算法、支払いの時期と方法)と昇給についての事項

  5. 退職に関する事項

  6. 退職手当(支払いを受ける労働者の範囲、金額、計算法、支払い時期)についての事項

  7. 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与、最低賃金額に関する事項

  8. 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項

  9. 安全及び衛生に関する事項

  10. 職業訓練に関する事項

  11. 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項

  12. 表彰及び制裁に関する事項

  13. 休職に関する事項

このうち、①~⑤(④の昇給に関する事項を除く)については、書面(労働条件通知書)の交付により明示しなければなりません。労働条件通知書を受け取ったら、まず、①~⑤の内容が明確に記載されているかどうかを、確認するようにしてください。
労働条件通知書の内容は、転職先で実際に働くときの条件です。よく確認し、記載されてない事項があったり、少しでも不明な点があったりする場合は、躊躇してはいけません。必ず採用担当者や転職エージェントに確認し、疑問や不安を解消して、納得してから内定承諾書にサインするようにしてください。

その他の項目

⑥から⑬のそれぞれの項目については、会社が就業規則内で規定していない場合は明示しなくてよく、規定している場合も口頭による明示でも可とされています。だからこそ、求人情報や面接時に説明されたことと異なる点がないか、しっかり確認することが大切です。

しっかり条件を確認しましょう

これらの条件を確認せずに、あるいは確認しても異議を申し立てることなく労働契約を結ぶと、条件に納得した上で契約したものとみなされ、入社後に「知らなかった」「確認していなかった」と言っても、原則として条件が変えられることはありません。

内定承諾の前に特に注意すべきこと

入社日

内定承諾書に記載された入社日が、面接時に伝えた入社日と同じかどうかを確認します。まだ転職前の企業に在職中の場合は、退職の交渉もの必要でもありますので、退職に関する規程をチェックし、退職日と入社日を調整することが必要になります。また、面接日以降の状況の変化で入社日を変更しなければならなくなった場合も同様で、承諾書にサインする前に、転職エージェントか採用担当者に相談しましょう。

業務内容

内定承諾書に記載された業務内容が、求人情報や面接時の説明と一致しているかを確認します。確認するポイントは、会社から求められる役割は何か、配属先の組織体制はどうなっているかなどです。
また、支店や営業所などが各地にある場合は、勤務地が遠方の配属になる可能性もあるので、確認しておきましょう。テレワークを導入する企業も増えているので、導入しているのであれば、その実施条件などを確認しましょう。

給与・待遇

内定承諾書に記載された給与・待遇が、求人の募集要項や面接時の説明と同じかどうかを確認します。交通費の支給額の上限や、給与以外の残業手当などの諸手当で、内定承諾書の記載内容が曖昧なものは、数字や内容を具体的に確認することで認識の違いを防ぐことができます。

休日

週休2日制とされていても、必ずしも毎週土日が休みかどうかはわかりません。週休2日制にはいくつかの種類があります。
月1回以上週2日の休みがあり、他の週は毎週1日の休みがあるのが「週休2日制」です。「完全週休2日制」は、1年を通じて、毎週2日の休みがあることです。「完全週休2日制(土・日)」は、土曜日と日曜日が毎週休みということですが、祝日は含まれません。祝日の休みも希望する場合は、「完全週休2日制(土・日)、祝日」のように記載されているかどうかを確認しましょう。

労働時間

フレックスタイム制や裁量労働制といった働き方を導入している企業があります。フレックスタイム制は通常「この時間からこの時間までは出社していなければならない」というコアタイムが設定されていて、導入にあたっては、職種が限定されず、すべての従業員が対象となる可能性があります。
一方の裁量労働制は、従業員が出社する時間や退勤する時間を、自由に決められる制度ですが、対象業務が限定されています。
転職先の企業がこうした制度を導入しているかどうかをしっかり確認しておきましょう。

内定承諾書にサイン
した後にすること

入社を決意した後にするべきこと

返信はなるべく早めに

内定承諾書の内容で不明な点等がクリアになり、転職を決意したらなるべく早く、期限内に届くように内定承諾書を返送しましょう。

添え状を同封する

内定承諾書を返送するときは、必ず添え状を付けます。封筒に内定承諾書だけを入れることはマナー違反です。担当者が封筒を開けた時に、添え状が読める状態にしておきましょう。

内定承諾書はクリアファイルに入れる

内定承諾書は水漏れや汚れ、書類が折れてしまうことを避けるため、クリアファイルに入れて封筒に入れましょう。

内定後、入社日までの過ごし方

転職経験者に話を聞くと、内定通知前後は漠然とした不安や、ストレスを感じたことが多かったといいます。内定後から、転職する会社の入社当日までは、転職を控えた自分だけではなく、だれもが不安からブルーになるもの。そこで、その時期の過ごし方について聞いてみました。

  • 入社日までにわからないことは、どんどん採用担当者に聞こう

  • 条件の確認は慎重に行うべきだが、少し軽い気持ちで、準備や心構えをすることも必要

  • 必要なこと、知りたいこと、不安だと思ったことを書き出してみよう

  • 複数の内定が出た場合の比較表にもなるので、条件や知りたいポイントのリストを選考が進んだタイミングで作ったほうがいい

気持ちや情報を整理して、新たなスタートを切りたいものですね。

まとめ

  1. 内定承諾をする前に、労働条件の理解にズレがないよう労働条件通知書をしっかり確認しよう

  2. 労働条件通知書に記載されている項目以外にも、入社するかどうかを判断するために知りたいことは積極的に聞いておこう

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